tone code

人がいるから音が存在するのか

人がいなくても音は存在するのか

これは物理的な話ではなく

哲学的な話でもない

ただ、僕の話

人が作った音より

自然の音のほうが好きだ

なぜなら人が作った音には

感情が存在する

それは僕の感情でもあるし

作者の感情でもある

自然の音に感情はない

だから、音そのものを享受できる

自然の音は白紙だった

でも、自然の音には匂いがない

人が作った音にはある

それぞれの音に、それぞれの匂いがある

元はその匂いが好きだった

人が作った音のほうが好きだった

その匂いを嗅ぐたび、その時の記憶を思い出せるから

キミのことも、思い出せるから

いつからだろう、キミの音に匂いがなくなったのは

キミの音が白紙になったのは

それから薫るのは、興味のない匂いばかり

匂いだけが邪魔をして、音を楽しめない

だから僕は、自然の音のほうが好きになった

正確には

自然の音のほうをよく聴いている

何よりも確かなのは

キミの音だけが、どちらでもない

キミの音は、卑怯だ

キミの音に色を付けることができたなら

キミの音にまた匂いが薫ったなら

僕はまた、人が作った音を楽しめるかな

まあ、

どちらにせよ

僕は、キミの音が嫌いだ

 

 

雨が降っている